用途地域とはどういったことか知っていますか?今回の記事では、用途地域の基本知識から用途地域の種類についてご紹介します。また、横浜市港北区・都筑区の用途地域別のゾーニング情報や主要な地区の特徴についてもご紹介しています。貸し工場・貸し倉庫の地域を探す際に参考になります。
用途地域とは
用途地域とは、都市の健全な発展と住環境の保護を目的に、都市計画法に基づき一定の地域を用途によって定めたものです。
都市計画法による用途地域の設定
都市計画法に基づき、地方自治体は都市の無秩序な発展を防ぐために、それぞれの土地の利用目的を明確に定めます。これにより、適切な土地利用が促進され、住民の生活環境が守られます。
例えば、神奈川県横浜市では、この法令に基づいて地域ごとに土地の利用目的を設定することが義務付けられています。
用途地域の重要性
用途地域の設定は、地域住民の生活の質を高めるために非常に重要です。 例えば、住宅地に大規模な工場が建設されることを防ぎ、結果的に住みやすい環境を維持します。具体例として、住宅地に高層ビルが乱立すると日照権の問題や交通渋滞が発生し、住民の生活が脅かされる可能性があります。そのため、用途地域の設定と適正な運用は都市部の生活環境を保護するために不可欠です。
用途地域の目的
用途地域の目的については、主に「住環境の保護」「商業エリアの発展」「工業エリアの分散」の3つになります。
住環境の保護
用途地域は、住民が安心して暮らせる環境を守るためのものです。
商業エリアの発展
商業エリアは、商業活動が盛んな地域として設定されます。ここでは様々な商業施設が集まり、地域経済の活性化に寄与します。商業エリアの設定により、新規ビジネスの参入が促進され、地元企業の集積が進みます。
工業エリアの分散
工業エリアは、適切な場所に工業活動を集中させることで、都市部の環境保護と産業の発展を両立させます。このエリアでは、重工業から軽工業まで様々な工業活動が行われ、横浜市の鶴見区には多くの工場が立地しています。これは、住宅密集地に影響を与えることなく、工業活動を効率的に行える環境を提供します。
横浜市都筑区の用途地域
横浜市都筑区は比較的新しい住宅地として知られており、緑が豊かな環境が特徴です。都筑区は多様な用途地域で構成されており、住居専用地域や商業地域、工業地域などが調和よく配置されています。
都筑区の住宅地域の特徴
都筑区の住宅地域は、主に低層住居専用地域と中高層住居専用地域に分かれています。低層住居専用地域は家族向けの一戸建て住宅が多く、中高層住居専用地域にはマンションやアパートが立ち並んでいます。
また、第一種低層住居専用地域では厳しい建築規制があり、高さの制限があるため街並みが統一されています。このような地域では、隣接する住民とのトラブルを避けるための景観保全の取り組みも行われています。
商業地域の特徴
商業地域には大型ショッピングモールやスーパー、レストランが多く集まるエリアが含まれています。これにより、都筑区の住民は日常の買い物や娯楽を身近で楽しむことができます。 さらに、商業地域は交通アクセスの良い場所に位置しており、駅前や主要道路沿いに広がっています。
都筑区内でも特にセンター北やセンター南の商業地域は、地域経済の中心地として大きな役割を果たしています。
工業地域の特徴
工業地域は主に準工業地帯が多くを占めており、軽工業や中程度の規模の工場が立地しています。住宅地域とは距離が置かれており、住環境への影響を最小限に抑えています。
工業地域には、多様な業種が集積しており、中小企業の事業展開に適した場所となっています。また、騒音や排気などの対策も地域ごとに厳格に管理されています。
都筑区の用途地域マップ
都筑区の用途地域は、地図上で色分けされて表示されることが多いです。以下の表を参考に、都筑区の主要な用途地域を確認してください。
用途地域 | 特徴 | 主な地区 |
---|---|---|
第一種低層住居専用地域 | 低層の戸建て住宅が中心 | 中川、中山 |
第二種低層住居専用地域 | 戸建て住宅が多いが小規模商業施設も許容 | 茅ケ崎南、北山田 |
第一種中高層住居専用地域 | 中高層のマンションが立ち並ぶ | 仲町台、センター南 |
第二種中高層住居専用地域 | マンションと一部小規模商業施設が混在 | センター北、葛が谷 |
近隣商業地域 | 地域の生活ニーズに応じた商業施設が多い | 中川駅前、センター北駅前 |
商業地域 | 大型ショッピングモールや商業ビルが位置する | 北山田、センター南 |
準工業地域 | 中規模の工場や業務施設が立地 | 茅ケ崎中央、川和町 |
都筑区の用途地域マップを活用することで、自分が住むエリアやビジネスを展開するエリアの特徴を把握しやすくなります。
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横浜市港北区の用途地域
横浜市港北区は、神奈川県横浜市の北部に位置し、人口が多く住宅地として人気があります。東急東横線や横浜市営地下鉄が通っており、交通アクセスも良好です。多くの公園や学校があり、住みやすい環境が整っています。
横浜市港北区の歴史と発展
横浜市港北区は、古くから住宅地として発展してきましたが、近年では商業施設や工業団地も増え、多様な用途地域が存在します。戦後の高度経済成長期には多くの新興住宅地が開発され、それに伴い商業施設や公共施設も整備されました。
住宅地域の特徴
横浜市港北区の住宅地域は、静かな環境で家族での居住に適しています。主に低層住宅が多く、住みやすい環境が整っています。特に緑が多く、自然環境に恵まれたエリアが多いです。
主要な住宅地域
港北ニュータウンや大倉山付近は、緑が多く非常に住みやすい地域として知られています。また、日吉や綱島エリアも閑静な住宅街が広がり、子育て世代に人気があります。
商業地域の特徴
横浜市港北区の商業地域は、駅前周辺や主要道路沿いに位置しています。店舗や飲食店が多く、昼夜問わず賑わっています。特に新横浜駅周辺は商業施設が充実し、多様な顧客層を対象とした店が軒を連ねています。
主要な商業地域
新横浜駅周辺は商業施設が立ち並び、ビジネスマンや観光客で賑わうエリアです。また、日吉駅や綱島駅周辺も商業施設が充実しています。
工業地域の特徴
横浜市港北区の工業地域は、区内の特定エリアに集中しており、主に製造業や物流業が盛んです。特に現代の需要に応じた新しい工業団地が次々と開発され、最新の技術を取り入れた企業が進出しています。
主要な工業地域
港北インターチェンジ周辺は、工業団地が多く存在し、物流センターや製造拠点が立地しています。また、新横浜テクノタワーなど、IT企業やベンチャー企業も多く立地し、現代の産業動向に即した発展を遂げています。
横浜市港北区の用途地域マップ
用途地域 | 特徴 | 主なエリア |
---|---|---|
第一種低層住居専用地域 | 静かな住宅街、低層住宅が中心 | 港北ニュータウン周辺 |
近隣商業地域 | 商業施設が多く賑わうエリア | 新横浜駅周辺 |
準工業地域 | 製造業や物流センターが立地 | 港北インターチェンジ周辺 |
横浜市港北区の主要な用途地域には、住宅地域、商業地域、工業地域が含まれます。以下に主要な地区を示します。
- 港北ニュータウン
- 新横浜
- 日吉
- 綱島
- 港北インターチェンジ周辺
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用途地域の種類
用途地域を表す際にどういった種類があるのでしょうか。
用途地域の種類について詳しくご紹介します。
住居系の用途地域
住居系の用途地域の種類には、「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」に分けられます。
第一種低層住居専用地域
第一種低層住居専用地域は、低層住宅の住環境を保護するために設定された地域です。この地域では、二階建て以下の戸建住宅や小規模なアパートが主流で、高さ制限や敷地面積の規制が厳しく設けられています。
具体的には、都筑区の港北ニュータウンは第一種低層住居専用地域が多く、建築物が10メートル以下に制限され、住宅密集地の風致景観を保護しています。
第二種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域は、第一種低層住居専用地域と同様に低層住宅を主体とする地区ですが、小規模な商店や事務所も建設可能です。住環境の保護と利便性を両立させる地域として機能しています。
横浜市港北区のある第二種低層住居専用地域では、小規模なカフェやクリニックが住宅と共存しており、住民の生活利便性が高まっています。
第一種中高層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域は、中高層住宅が主な用途となる地域で、マンションなどの集合住宅が建設されることが多いです。住環境を保護しつつ、都市の密度を高めることを目的としています。
横浜市都筑区のセンター北・センター南駅周辺では、10階建てのマンションが建設され、人口密度の向上に寄与しています。建物の高さは30メートルまで許容されることが多いです。
第二種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域は、第一種中高層住居専用地域よりも広範な用途が認められる地区で、住宅だけでなく、小規模な商業施設や事務所も建設可能です。
横浜市港北区の某地区では、近くにコンビニエンスストアやクリニックがあり、住民の日常生活が非常に便利です。
商業系の用途地域
商業系の用途地域の種類には、「近隣商業地域」「商業地域」に分けられます。
近隣商業地域
近隣商業地域は、住民の日常生活に必要な商業施設やサービス業を集中させる地域です。スーパーマーケットやドラッグストア、小学校や病院なども存在し、住宅も共存することができる多用途地域です。
都筑区内には、大型スーパーやファミリーレストラン、小学校が集積している地域があり、便利な住環境が整っています。住宅と商業施設の割合はおおむね6対4程度です。
商業地域
商業地域は、商業活動が集中的に行われる地域で、大型ショッピングモールやデパート、オフィスビルなどが立ち並びます。地域の生活圏の中心として機能し、非常に高い建物も許容されるため、都市の象徴的な景観を形成します。
横浜駅周辺は商業地域に該当し、多数のデパートやオフィスビルが集まるエリアとなっています。商業地域が都市の象徴的な景観を形成するため、建物の高さ制限が緩和されていることが多いです。
工業系の用途地域
工業系の用途地域の種類には、「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」に分けられます。
準工業地域
準工業地域は、軽工業や住宅が混在する地域で、小規模な工場や倉庫、サービス業が集中しています。
横浜市港北区の某地区では、小規模の製品加工工場と住宅が共存し、地域の雇用と住環境を両立しています。騒音や排気の問題に対応するため、環境影響評価を事前に行う必要があります。
工業地域
工業地域は、主に重工業や中規模の工場が立ち並ぶ地域です。住宅や商業施設は少なく、工場の操業による騒音や振動を考慮した地域設定がなされています。多くの場合、市街地から離れた場所に位置しています。
都筑区内の某工業地域では、自動車部品の製造工場が複数立地しています。住宅比率は非常に低く、全体の5%以下です。
工業専用地域
工業専用地域は、工業活動のみが許される地域で、極めて厳しい用途制限が設けられています。居住や商業施設の建設は一切認められず、産業の集積地として機能します。公害や周囲への迷惑を最小限に抑えるため、地方自治体によって厳しく管理されています。
港北区の某工業専用地域では、化学工場や金属加工工場が稼働しており、夜間も操業可能な体制が整えられています。
種類 | 主な用途 | 特徴 |
---|---|---|
第一種低層住居専用地域 | 低層住宅 | 住環境保護、高さ制限あり |
第二種低層住居専用地域 | 低層住宅、小規模商店 | 住環境保護と利便性の両立 |
第一種中高層住居専用地域 | 中高層住宅 | 都市密度の向上 |
第二種中高層住居専用地域 | 中高層住宅、小規模商業施設 | 住環境と利便性向上 |
近隣商業地域 | 商業施設、住宅 | 日常生活の利便性 |
商業地域 | 大型商業施設、オフィスビル | 高い建物が許容 |
準工業地域 | 小規模工場、住宅 | 用途が多様 |
工業地域 | 中規模工場 | 重工業主体 |
工業専用地域 | 工業活動のみ | 用途制限が厳しい |
まとめ
今回の記事では「横浜市港北区・都筑区の用途地域について」ご紹介しました。
用途地域とは、都市計画法に基づいて土地利用を規制するために定められた区分であり、住宅地域、商業地域、工業地域の大きく3つのカテゴリに分類されます。横浜市都筑区と港北区では、それぞれ用途地域が異なる特徴を持ち、生活環境や商業活動、工業活動に大きな影響を及ぼします。
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