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シェアラボとは

シェアラボとは、複数の企業や研究者が一つの施設に入居し、実験室や研究機器などの研究開発環境を共同で利用する新しい形態のラボ施設です。一般的にオフィスワークで普及しているコワーキングスペースの「研究開発版」とイメージすると分かりやすいでしょう。
特にライフサイエンスや化学、ディープテック領域のスタートアップ企業にとって、自前で研究施設を構えることは大きなハードルとなります。シェアラボは、実験に必要な基本的な設備があらかじめ整っているため、初期投資を抑えてすぐに実験を開始できる点が最大の特徴です。単なるスペースの貸し出しにとどまらず、高額な分析機器の共同利用や、実験をサポートするスタッフが常駐しているケースも多く見られます。
従来の賃貸ラボとシェアラボの違いについて
従来の賃貸ラボとシェアラボの違いについて
これまで研究開発を行う場所といえば、不動産会社が貸し出す一般的な「賃貸ラボ」が主流でした。しかし、従来の賃貸ラボと近年増加しているシェアラボには、費用面や契約形態において大きな違いがあります。
最も大きな違いは、入居時の状態と設備です。従来の賃貸ラボは、内装や設備が何もない「スケルトン渡し」が一般的で、入居企業が自費で内装工事を行う必要がありました。一方、シェアラボは研究に必要なインフラがあらかじめ整った状態で入居できるため、契約直後から研究活動に専念できます。
| 比較項目 | 従来の賃貸ラボ | シェアラボ |
| 初期費用 | 非常に高額(内装工事費・機器購入費が必要) | 比較的安価(入会金や敷金のみの場合が多い) |
| 実験機器・設備 | すべて自社で手配・購入が必要 | 高額な共用機器や実験ベンチを利用可能 |
| 契約期間 | 長期契約が一般的(数年単位) | 柔軟な契約が可能(数ヶ月単位から) |
| 入居までの期間 | 長い(設計・工事に数ヶ月かかる) | 短い(契約後、即座に利用開始できる) |
| 退去時の負担 | 原状回復工事が必要 | 原状回復の負担が少ない |
オープンイノベーションの拠点としての役割
シェアラボが注目されるもう一つの理由は、オープンイノベーションを促進する「場」としての機能です。閉鎖的な環境で研究を行う従来のラボとは異なり、シェアラボには大学発ベンチャー、大企業の新規事業部門、海外のスタートアップなど、多様なバックグラウンドを持つ入居者が集まります。
共有スペースやラウンジでの何気ない会話から、技術的な課題解決のヒントを得たり、共同研究のきっかけが生まれたりすることも珍しくありません。
つまりシェアラボは、単に実験場所を借りるだけの施設ではなく、異分野の研究者や企業と交流することで新しい事業や技術を生み出すエコシステムとしての役割も担っているのです。孤立しがちなスタートアップ企業にとって、横のつながりを持てる環境は、事業を加速させる上で大きな助けとなるでしょう。
スタートアップが「シェアラボ」を活用する3つのメリット

ライフサイエンスやディープテック領域のスタートアップ企業にとって、研究開発環境の確保は事業の存続を左右する極めて重要な課題です。資金やリソースが限られている創業期において、シェアラボという選択肢は従来の自前ラボにはないメリットがあります。
高額な実験機器や分析機器を安価に利用できる
研究開発には、PCR装置、質量分析計、共焦点顕微鏡といった高度な機器が欠かせません。しかし、これらの機器を自社ですべて購入しようとすれば、数千万円から億単位の資金が必要となります。シェアラボでは、汎用的な実験機器から高度な分析機器までがあらかじめ設置されており、入居企業はこれらを共同利用することが可能です。
高額な機器購入費をかけずに最先端の研究環境を手に入れられる点は、資金調達前のシード・アーリー期のスタートアップにとって最大の魅力といえます。
敷金や内装工事費などの初期費用を大幅に削減
バイオ実験などが可能な「ウェットラボ」を開設するには、一般的なオフィスとは異なり、特殊な給排水設備、排気設備、空調管理システムの実装が求められます。通常の賃貸物件をラボ仕様に改装する場合、坪単価あたりの工事費はオフィス内装の数倍に跳ね上がります。また、退去時の原状回復費用も膨大になるため、賃貸借契約時の敷金も高額に設定される傾向があります。
シェアラボは、P1やP2(BSL2)レベルの実験に対応した設備があらかじめ完備されています。そのため、内装工事にかかる莫大なイニシャルコストと準備期間を劇的に圧縮することが可能です。浮いた資金を優秀な研究員の採用や、試薬・消耗品の購入といった運転資金(ランニングコスト)に回すことで、事業の成長スピードを早めることができます。
入居企業同士の交流によるコミュニティ形成
物理的な設備やコストのメリットに加え、見逃せないのが「コミュニティ」の存在です。シェアラボには、同じようなフェーズにあるスタートアップ企業や、大企業の新規事業開発チーム、ベンチャーキャピタル(VC)などが集まっています。
共有のラウンジや実験スペースで顔を合わせることで、自然と情報交換が生まれ、技術的な課題解決のヒントや予期せぬ協業のチャンスが得られることも珍しくありません。孤独になりがちな研究開発型のスタートアップにとって、横のつながりを持てる環境は精神的な支えにもなります。
シェアラボ利用時に想定される注意点とデメリット
シェアラボは、複数の企業や研究者が同じ空間や設備を共有するという特性上、独自の占有ラボ(賃貸ラボ)とは異なるリスクも存在します。メリットだけではなく、デメリット面も理解したうえで検討しましょう。
情報セキュリティと機密保持の徹底管理
シェアラボを利用する上で最も懸念されるのが、情報漏洩のリスクです。オープンイノベーションを促進する環境は、裏を返せば「他社の目が常に近くにある」状態を意味します。研究データや試作品、特許出願前のアイデアなど、企業の生命線ともいえる知的財産を守るためには、占有ラボ以上に厳格な意識が必要です。
共有スペースでの会話や、デスクに放置された資料から情報が漏れるケースも珍しくありません。また、共有のWi-Fiネットワークを利用する場合、サイバーセキュリティの観点からも脆弱性が懸念されます。入居する際は、施設側がどのようなセキュリティ対策を講じているかを確認するとともに、自社内でも厳格な情報管理ルールを策定することが求められます。
自社の研究内容に合ったシェアラボの選び方

必要な実験設備とBSL(バイオセーフティレベル)の確認
まず確認すべきは、行いたい実験が物理的かつ法的に可能な環境であるかという点です。特にライフサイエンス系のスタートアップにおいては、扱う試料のリスクに応じた管理区域が求められます。
多くのシェアラボはBSL1(P1)レベルには対応していますが、病原体やヒト由来試料などを扱うBSL2(P2)レベルの実験室を備えている施設は限られています。また、遺伝子組換え実験を行う場合は、拡散防止措置が講じられた実験室として承認が得られるかどうかも重要です。
自社の研究に必要なバイオセーフティレベル(BSL)に対応しているか、また遺伝子組換え実験の申請が可能かを必ず事前に確認しましょう。
立地条件とアクセスの利便性
研究開発の効率を上げるためには、立地選びも欠かせません。シェアラボの立地は大きく分けて「都心型」と「郊外型(サイエンスパーク型)」の2つに分類でき、それぞれメリットが異なります。 都心型は、投資家や提携企業との打ち合わせがしやすく、人材採用の面でも有利です。一方、郊外型は製薬会社の研究所跡地などを活用しているケースが多く、広々としたスペースや充実した設備を利用しやすい傾向があります。
研究員がストレスなく通勤できるかどうかに加え、試薬の搬入や実験廃棄物の回収業者が対応しているエリアかどうかも確認しておきましょう。
契約形態と利用料金の柔軟性
スタートアップの研究開発は、進捗によって必要なスペースや設備が急速に変化します。そのため、契約の柔軟性は非常に重要です。
最初は「シェアベンチ」と呼ばれる実験台の1区画からスタートし、資金調達や人員増加のタイミングに合わせて個室へ移動できるような施設であれば、無駄なコストを抑えられます。また、数ヶ月単位での短期利用が可能かどうかも、プロジェクトベースで動く企業には重要な要素です。
料金体系については、賃料だけでなく共益費や光熱費、共用機器の利用料が含まれているかを確認します。一見安く見えても、オプション料金が積み重なると予算オーバーになる可能性があります。初期費用や月額費用に含まれるサービス範囲を明確にし、トータルコストで比較検討することをおすすめします。
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まとめ
今回の記事では、「スタートアップ企業注目!今話題のシェアラボとは?」についてご紹介しました。
シェアラボは、研究開発に必要な設備や空間を共有することで、初期費用を大幅に抑えられる画期的な仕組みです。特に資金力が限られるスタートアップ企業にとって、高額な実験機器を利用できたり、他社との交流から新たなビジネスチャンスが生まれたりする点は大きな魅力でしょう。
一方で、機密情報の管理や共有スペースでのマナーなど、利用時には注意すべき点も存在します。それぞれの施設で特徴や強みが異なるため、自社の研究内容や事業フェーズに最適な環境を見極めることが重要です。
今回の記事を参考にシェアラボの検討をしてみてはいかがでしょうか。


